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第一面 i n d e x > 日本福祉新聞連載小説のご案内
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日本福祉新聞連載小説のご案内



○日本福祉新聞では、さまざまな福祉の側面をあつかった小説を連載しています。
○著作権は執筆者に帰属し、編集権・版権は日本福祉新聞社が所有・管理しています。
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> 『ヒッポポタマス男爵と良い黄色インコ』
作:芝里紘崋(しばさとひろか)

真夜中の古城わき、流しの霊柩車を運転していたヒッポポタマス男爵のまえに、暴漢たちに追われた少女が飛び出します。黄色いドレッドの16歳の天才ダンサー・インコは心臓に穴が空いていました。魔王オオガラスによって魔界へと連れ去られた愛する弟を奪還すべく、たったひとりで、たちむかっていきます。
              ※             ※
さても今宵の物語は、魔王オオガラスに連れさられた愛する弟ツグミを探しだすため、自らのぞんで魔界に迷いこんだ少女インコの、壮絶にしてせつない、スリリングな戦闘奇譚でございます。深夜の古城わき〈ヒッポポタマス男爵〉の運転する霊柩車のまえから事件はおこりました……。※  ※ヘッドライトのなかに、下着姿の少女が右から飛び出してきた。両腕を広げ叫んだ。/〈ヒッポポタマス男爵〉は急ブレーキを踏んだが、間にあわなかった。/大きな音とともに、少女はボンネットに勢いよくのりあげた。/「ひいてしまった!」/〈ヒッポポタマス男爵〉は顔をゆがめた。/だが少女はむしろ良かったとでもいわんばかりに身を起こし、いま出てきた闇の奥に、鋭いまなざしをむけた。/夜の闇を背に、強烈なコントラストを示しながらうつしだされた荒々しい、必死の形相。/〈ヒッポポタマス男爵〉の目には、少女が野生児のように映った。「おじさん、助けて!」 つづき
『深海魚』
作:七雨七虹(ななあめななにじ)

重篤なガンを患った初老の役者が、実験演劇『深海魚』の一人芝居の上演を決意します。サポートするのはたった三人。演出家の妻。プロデューサーの男。座付き作家。魂の奥深く、最後の生命の輝きをもとめ、エロティックとさえいえる狂気の海底世界へと沈んでいきます。芸術。苦悩。愛。永遠の魂を幻影的に描いていきます。
              ※             ※
〈登場人物〉男 女/〈装置〉マリンスノーが降っている。舞台の上には、白く柔らかな堆積物。一尾のチョウチンアンコウの大型の骨格が散在し、傾いている。/第1幕/女、舞台上部からゆっくりと下降。長い髪、ドレスの裾をうえに伸ばし、目を閉じて、横たわる。/男、頭に棒状の先端に光源のついたヘッドギアをかぶって立っている。/闇/男(モノローグ。光源は、額から伸びた光のみ)/ようこそ、おいでくださいました。/わたしの姿がみえますか?/そうですか。わたしの声、聞こえますか?/良かった。では、わたしの匂いはどうでしょう。/ああ、残念。/ここでは、なにより大切なのに。 つづき
『風の乳房』
作:吹坂琢朗(ふきさかたくろう)

若くして大金を稼ぎだし、毎晩キャバクラや風俗店といった歓楽街で大枚金を払って、刹那的な享楽にふける訪問販売員の幹部たちと、そのしたで働く中年の失業者らの対比をとおして、ウラ世界を描いたピカレスク福祉小説です。
              ※             ※
植草部長と私は、客宅にあがりこんでいた。今日は、クリスマスイブ。しかも、夜の9時。こんな年の瀬に、こんな非常識な時間帯にもかかわらず、ことさら必要のない家のリフォームの訪問販売員を、家に招き入れる。どうかしている。/お人好しで、呑気な、無防備すぎるほど無防備な、盲目の老夫婦。/熱心なクリスチャンであるという二人は、興奮していた。/特に、夫の方がさきほどから、熱弁をふるっていた。/植草部長と私は、ときおり相槌をうつものの、いっさい内容など聞いてはいなかった。ただ夫に、喋りたいだけ喋らせていた、/それが「手」だからだ。マニュアルで、しっかりと教え込まれていた。 つづき
『カタマラン』
作:君近桃菓(きみちかももか)

ある日、法医学者夫婦のまえに現れた若き映画監督。妻と若者は恋に落ちます。激しい愛憎の交錯するなか、物語りは思わぬ方向へとおおきく走りだします。追いつめられ、あともどりできなくなった三人の運命を鷲づかむ、二胴一翼、極限の、過酷にして壮絶な愛と絶望の官能ドラマです。
              ※             ※
——初恋?  わからない。いくつもあって。 でも、あんまり好きになって、男の子のまえで泣いたことがある。※妻とであったのは、大学だった。/わたしは当時、大学で医学、それも法医学を教える立場にいた。/妻は、美少女といっていい、気品のある医学部の学生だった。/彼女が大学を選んだ理由は、法医学教室があったから。/入学を希望する段階ですでに、屍体に興味をもっていた。/医学というものは、人間をいかすために存在している。/法医学は違う。/対象者は屍体。どこまでも治癒しない。/医者になりたいと医学部に入る者はおおい。/だが、最初から法医学者になりたいといってきた者は、わたしの知る限り、彼女ひとりだった。異色だった。/彼女に興味をもった。つづき

連載を終え、Amazon kindle で出版されている書籍

●『呪術師バオバブと泣き叫ぶオニヒトデ』
ジャンル > 小説 > 現代日本マジックリアリズム文学・スピリチュアルフェミニズム文学
初見悦理(はつみえり)


ミュージシャンでブードゥー呪術師のバオバブはある夜、壮絶な殺戮シーンの現実夢をみた。一通のメールを頼りに大雨のふる真夜中の東京を出発する。地上の迷路。現実夢の迷宮。現実の世界と、霊的な世界との複雑なつながり。過激さをます殺人。底知れぬ悲しみに霊がダイレクトでふれ精神の崩壊の危機をむかえていく。地球の裏側ハイチから救助の念を送りつづける指導者マンボ。宗教学者で作詞家のレズビアンのパートナー麗子との愛の日々が試される。人間のダークエネルギーが壮大なカタストローフを生む。スピリチュアル・フェミニズム文学の輝峰。現代日本マジックリアリズム文学!
■kindle価格:263円

●『天使屋』
ジャンル > 小説 > 現代日本神秘主義文学・幻想・形而上学
与謝野ルネ(よさのるね)/著


フライフィッシングに取り憑かれた男/女を愛し、世界の川を放浪し、幻の黄金のマスをもとめる/哲学、宗教、東洋思想、倫理、人間というテーマを過剰な意識でみつめ、度を越したエロティシズムとフェティシズム、あふれでるユーモアとアフォリズム、諧謔とからかいと軽口にみちた、聖なるものとグロテスクなるものの混在、独特の哀愁と切実さによる語り口の文体で筆致/魂の導きによる奇想天外なストーリー/霊の救済はあるのか?/なされるとすれば、どのようにか?/絶対なるものとはなにか?/現代日本神秘主義文学、幻想文学の極点/伝説のヒーリング小説の文庫化!
■kindle価格:263円

●『撞球(ビリヤード)』
ジャンル > 小説 > 幻想・形而上学
与謝野ルネ(よさのるね)/著


かつて売娼窟でもあった元米軍施設のピンクの建物は、地下室がビリヤード場となり男たちが集っていた。店名は<メイトリクス>。ジュークボックスからはタンゴが流れていた。広々とした室内には撞球台が七台。周囲は博物館ように動物の骨格がところせましと並んでいた。眠り続ける女将。その日も、狂人とゼンマイと堕天使がしずかにプレーをしていた。そこへ突然、若者が駆け込んできた。みずからを<神>と称する擬似両性具有者の恋人舞踏家「ニセ物」の突然の死を告げたのだった。
■kindle価格:263円


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