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死生観



福祉は、根底で人間を中心に据えた哲学が支えている。
人は「幸福」「生命」「人生」「生きがい」など、生きていく上で何度となく向き合うテーマと自身の全ての力で格闘せざるを得ない。 同時に多くの矛盾も抱えている。
例えば、働きたくても働く職場のない状況に置かれている障害者にとって、五体満足でありながら働こうとしない引きこもりやホームレスの人々を激しく批判する。差別される側とする側の混在。
死刑のを望む犯罪被害者と犯罪者の人権や更正への道筋の問題や世界的な死刑廃止論議。人口爆発という世界的事態と子どもを産むことを希求する家族。経済発展と地球環境破壊。
こうした対立する関係は福祉の世界ではいたるところで発生している。
中でも「死生観」は福祉のもっとも根源的な問題をあぶり出している。
個人としての人間が社会の中でどのように生き、どのように死を受け止めていくのか。
「生きることは人間の基本的欲求」でありながら「安楽に死を望む人々」の存在。彼らを取り巻く絶望的状況。
「生きること至上主義」では解決しない最大の問題を抱える現代。福祉は、根底で人間を中心に据えた哲学が支えているが、それさえも止揚する必要に迫られていると言えるかもしれない。

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