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世界に起こっている福祉



我々ニホンに住む者たちは、おおむね、お金を払うことで食べたい物を食べることができるし、またそれが当然であると考えている。だが、世界に目を転じれば、そうしたことが当然なことなどではないのだということを知ることができる。毎日、何万人も餓死している。市民が戦争や紛争に巻き込まれ死んでいる。路上で生活している子ども。災害に見回れた地域の人々。食べたい物を食べることができるニホンに感謝する、といったことでは許されない加害者としてのニホンにも、ときに気付くことになる。あるいはニホン人だからこそできることもあるかもしれない。一歩踏み込んで考えれば、自分とニホン、自分と世界、そういった責任の取り方もある。そうして海外へと支援に向かうニホンの人々もまた多い。戦争・紛争/平和活動/緊急援助情報/戦争難民/飢餓/人口爆発/就労する児童/海外の復興支援/NGO・海外支援団体

『人口爆発 女性の妊娠と避妊の権利』セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツ

■日本福祉新聞「人口爆発」研究部会

「性と生殖に関するすべての人々の生涯にわたる健康を改善させ、身体的・精神的・社会的に良好な状態(wellbeing)とすること」
「女性の妊娠と避妊の人権」と人口爆発のことを知ってください!
あなたは『リプロダクティブ・ヘルス』あるいは、『セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツ』という言葉を聞いたことがありますか?
「性と生殖に関するすべての人々の生涯にわたる健康を改善させ、身体的・精神的・社会的に良好な状態(wellbeing)とすること」
「wellbeing」とは、「幸福」という意味でも使われます。
「人はだれでも希望するときに希望する数のこどもをもつことができる」
「女性にとって妊娠・出産は安全である」
「妊娠・出産は母児の生命・健康にとり安全である」
「すべてのカップルは望まない妊娠や病気に感染するおそれなしに性的関係をもつことができることであり、セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツは基本的人権としてのその権利」をさします。
「人口爆発」とは、人類にかせられた単なる宿命的な、人間という生物の、地球上での、異常繁殖ではありません。
大自然の環境を破壊し、他のさまざまな動植物を大量に犠牲にして、人間だけが肯定され、生き延びることをゆるされていると考えることは、自己矛盾しています。
「性と生殖に関するすべての人々」と、地球の「人口爆発」とには、密接な相関関係があります。
「女性の妊娠と産む権利」に、深く関連しています。
多くのこどもが爆発的に産まれ、多くのこどもが大量に餓死をし、地球全体で急激に人口が増えているということを、根底で成立させているものが、「性と生殖に関するすべての人々」の「wellbeing」の問題です。
地球上の、経済的、社会的、環境的多様性を認識し、様々な宗教や倫理観、文化的背景や哲学的信念を尊重しつつ、共通の未来のための、世界のすべての人々の共有が、差異のある責任が、合意や国際協力の精神で作られ、必要とされています。
世界のすべての国と民族間の新たなグローバル・パートナーシップの一環として「性と生殖に関するすべての人々」と「人口爆発」を考える必要があります。
すべての人間は自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等で生まれています。 人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的またはその他の意見、国民や社会的起源、財産、出生として、いかなる種類の区別なく、世界人権宣言に掲げるすべての権利と自由を受ける権利があります。 すべての人は、生命、自由及び身体の安全に対する権利を有します。
「性と生殖」について向かい合う必要があります。
全世界の人口と、女性の個人的な妊娠・出産は、関係があるのか、ないのか、人口爆発に対し、妊娠していいのか、悪いのか……
あまりにマクロな問題と、あまりにミクロな問題が、分断されたまま、あらゆる方面に負荷がかかっています。
特に、少女と女性に、問題が顕在化しています。
わたしたちは、国家による妊娠への関与の政策、人種差別、原理主義的宗教、純血統思想、国境、紛争、などといった数々の、人間性の領域を超えた概念に対し、注意深くなる必要があります。
女性の身体性を肯定し、「性と生殖」をまもる必要があります。
「リプロダクティブ・ヘルス」では、人間を、持続可能な開発のための関心の中心におきます。
自然と調和した健康的で生産的な生活を受けることができます。
人々はあらゆる国の中で最も重要かつ貴重な資源です。
しかし、国にとって貴重な資源ではあっても、国のために産むことを拒みます。
国のために避妊することも、国のために中絶することも拒みます。
確立されなければならないのは、「女性の妊娠と産む権利」です。
女性は、十分な食料、衣服、住居、水と衛生など、十分な生活水準への権利を持っています。
国は、すべての個人が自分の可能性を最大限に活用する機会を与えられていることを確認する必要があります。
女性の地位向上とエンパワーメントがカギです。
ジェンダーの平等と公平とエンパワーメントを進めていくことです。
「生殖能力」といった基準さえ拒絶する、少女と女性の人権と、妊娠する/妊娠しない、を超えた全年齢を包含する女性のエンパワーメントです。
国、地域、国際レベルで、市民の文化的、経済的、政治的、社会生活における女性の完全かつ平等な参加、性別を理由に差別のすべての形態の根絶、の根幹を共有し、確認した上での「人口爆発」の問題です。
人口関連の目標や政策は、文化的、経済的、社会的発展の不可欠な部分であり、主な目的は、すべての人々の生活の質を向上させることです。
「wellbeing」
誰もが物理的および精神的健康の到達可能な最高水準の享受に対する権利を有します。
国は、男性と女性の平等に基づいて、家族計画や性の健康を含んでリプロダクティブ・ヘルスケアに関連するものを含むヘルスケアサービスへの普遍的なアクセスを確保するための、すべての適当な措置をとるべきです。
リプロダクティブヘルスケア・プログラムは、広い範囲のサービスを提供する必要があります。
すべてのカップルと個人が、自由にかつ責任を持ってこどもの数と、出産の間隔を決定するとのできる、情報や教育をうけ、それを実行できる環境を取得する、基本的な権利を持っているのはいうまでもありません。
単純な対称的図式化された、2つの領域。
先進諸国の「少子高齢化問題」
途上国や新興国の「貧困と人口爆発の連鎖」
これらは、相反する現象であって、一緒に扱うことのできない、一緒に扱うと矛盾する問題でしょうか?
これら2つのフェーズには、共通した問題があります。
少女や女性といった妊娠、出産に主体的に関わる人びとに対する不合理です。
先進諸国であれ、途上国や新興国であれ、少女や女性は、みずからの意思と権利とによって、妊娠、出産を自由に選択していいはずです。
しかし、先進諸国であれ、途上国や新興国であれ、できていません。
少女や女性は、みずからの意思と権利とによって、妊娠、出産を自由に選択していいはずなのに、先進諸国であれ、途上国や新興国であれ、それがゆるされてはいません。あるいは、充分に可能ではありません。
「人口爆発」とは、「食糧問題」「労働問題」「生活環境」「教育」「都市部と農村部」「政治・紛争地域」「宗教・風習」などといった周辺的なファクターやエレメントで語られるべきものではなく、実のところ、中心的課題として、少女や女性の、「性(セクシュアル)」「妊娠・出産も含めた健康(リプロダクティブ・ヘルス)」「女性の人権(ライツ)」として読み解くことができるのかもしれません。
「人口爆発」とは、途上国や新興国にのみ転嫁された問題ではなく、先進国も、つまり世界中の少女や女性が置かれている、不健全な状態の「性と生殖」の問題に起因する、「人口」というフェーズに現れた「抑圧のあらわれ」といいかえることができるかもしれません。
「人類爆発」は、『セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツ』という視点で、全人類が共有できるものです。
「すべてのこどもは、欲しかったこどもであることを保証すること」
「こどもたちは、将来のために最も重要なかけがえのない存在であること」
「親や地域行政、社会や国家によって、大きな投資が持続的に注がれる必要があること」
を認識することです。

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