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アクティブバース



「出産」の主体者は、だれであるのか?
「病い」ではない、妊娠という状態は、なにを意味するのか?

妊産婦の主体性、自尊、産みの苦しみの肯定的受容。
出生児の主体性、自尊、産まれでることの苦しみの肯定的受容。
夫や恋人、パートナー、友人知人、家族、助産師らの、見守りとちからづけ。
出産後に包まれる至福。

そうした問いかけが、まずベースにあった。
多くの動物が、自力で出産するのに対し、いくら生命の尊重とはいえ、医学が介入しすぎるのではないか。
女は、現行の出産プロセスから、自力で産む自由と尊厳と、可能性を奪われているのではないか。
月曜から金曜、朝9時から夕方の5時まで、産科医や助産婦が働く時間に、必ず産まなければならないとする「出産予約」や「出産誘発」の使用は、おかしいのではないか。
さらに、「出産に適した形ではなく、あくまで、診察する産科医にとって都合のいい分娩台」の使用への懐疑がスタートだった。
●アクティブ・バース

医師中心主義の分娩台での出産システムからおり、妊婦は自由に歩行し、あるいは風呂に入り陣痛をやわらげたり、そのまま水中で出産したりと、自然分娩の考え方を進め、むしろ主人公は産まれ出る胎児であるとし、母胎や産婆はそれをサポートするにすぎない、と位置付ける。他の哺乳類動物がそうであるように、薄暗がりの中で、静かに、自然な体位、しゃがむ、四つんばい、立ち位、水中、などこだわらず自由に産まれ出たいままにまかせ産む。出産した後も初乳はもちろん、へその緒を付けたまま母親が子を抱き締めるなど、自然に限り無く近い方法の提唱による。
アクティブバースとは、「アクティブ」(積極的)と、「バース」(誕生)を合わせた造語。直訳すると「能動的な出産」「行動的なお産」「積極的なお産」。
アクティブバースは、 医療器機に管理されることなく、自然の本能のままに楽な姿勢をとり、自由な呼吸法で陣痛をコントロールし、リラックスした状態で分娩をするという、産む側を主体にした出産法だ。
妊婦が主体的に出産に臨むことではラマーズ法やソフロロジー法も同じだが、アクティブバースは、お産の主役は「母親」と「赤ちゃん」であることをより強く意識したもの。積極的に産みやすい形を自分でとることで自然で満足できるお産を目指す。
したがって「こうしなければいけない」という決まりはありない。
誤解を恐れずに言えば、「動物のように産む」ということ。
したがって、現在は普及し、知れ渡ってきたが、提唱された当初は、両脇から妊婦が抱えられた写真や、四つん這いになっている絵などが示され、衝撃を与えた。
しかし、実際の妊婦にしてみれば、母胎の安全と子どもの生命の確保とをかんがえれば  、むしろ自然分娩への傾斜は必然でもあった。
医療器につながれ、ベッドで仰向けにじっとして陣痛を乗り切るのは大変だ。
アクティブバースでは、分娩の体位も、仰向き、横向き、座位、しゃがむ、立て膝、両膝をつく、立ったまま、両手両足をついてなど様々。夫に支えてもらってもいい。成りゆきで自由に姿勢を変え、楽な体位をとることで痛みが和らぎ、いきみやすくなる。重力に逆らわない姿勢は出産時間も短くてすむようでもある。
なにより、「自分で産んだ」という満足感が得られるアクティブバースは、自分の自然な出産ペースで進行していくので、「妊娠」「出産」の知識を十分につけておくことが大事だともいわれている。
アクティブバースは大半が助産院で行なわれているが、最近は病院・医院でもとりいれるところが増えてきた。
一生のうち何回もない経験であるから、積極的に、自分の持てる力を信じて、取り組んでみたいという人にぜひ、おすすめの出産方法である。
●水中出産

アクティブバースの水中版ともいえるのが水中出産。
水中出産は、暖かい海水や温水につかり、心と体をリラックスさせながら、陣痛を和らげる分娩方法。
様々な環境での出産があるが、最近では、陣痛がピークになってから、腰ぐらいの深さのぬるま湯(体温と同じ程度)につかり、水中でもしくは水の外で出産するというのが主流のようだ。
自宅ではお風呂、医院ではビニール製の簡易プールなどがよく利用されている。
アクエリアス世代が考案した出産方法のひとつでもあるので、イルカやクジラの出産をモデルにし、むしろ地上より「自由に」のびのびと、身体をリラックスさせることができると、支持されてきた。
心地よさで身体が温まってくると、血液循環はよくなる。
ホルモンの代謝がうながされ、筋肉は柔かくなるので会陰ものびやすくなる。
浮力で身体が軽くなり、鎮静・鎮痛効果があるともいわれている。
水中出産は、子どもにとっても、いきなり外気にふれるよりも負担が少ないともいわれている。
水中では羊水の中と同じように胎盤を通じて空気や栄養をとりいれているので、息ができなくなることはない。水中から出て大気圧のもとで産声をあげ、呼吸をしだす。後産は水中から出てから行なう。
水中出産は妊婦の自主性のもとに、より自然の力を生かしてお産をしようというアクティブバースのひとつだから、陣痛から出産までの間ずっとプールに入っている必要はない。自分が快いと思う場所や姿勢で産むことが大事だ。
ただし、水中分娩による感染や出血などのリスクも報じられていますのであるため、医師や助産師とよく相談してから行なうようにしよう。
妊娠経過が順調であるか。
当日の体調のよいこともチェックポイント。

●フリースタイル出産

「フリースタイル出産」とは、アクティブバースに代表されるような、「決められた呼吸法」や「姿勢」に捕らわれることなく自由な姿勢で産む方法。
出産は人類が誕生してから今日まで行われてきた本能に基づく営み。
「本能のまま」に身を委ね、
自然と身体を起こしたり、横になったり、うずくまったりしたくなる、ことをそのままさせてあげる。
どこまでも自由で楽であることで、母体の持つ「産む力」と子の「生まれる力」を活性化させ、力づけ、結果、自分が産んだという強い実感を持つことができるようになる。
育児への絶対的な自信と母乳育児へのスムーズなスタートにつながるともいわれている。

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