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第一面 i n d e x > 高齢者・介護 >
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『高齢者・介護』
【関連法案】
『高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律』
「介護保険」が始まる直前、20世紀のおわりに、(「高齢化社会」ではなく)世界に類を見ない「超・高齢化社会」となる日本への「介護」の視線から評論した本があった。
本では、様々な公的機関や私的施設やサービスについて語られていた。「将来は、人口比率が現在とは大きく違っています。高齢者が多く、若者は極端に少なくなります。したがいまして、街などで、喫茶店でお茶を飲んでいたりしますと、『あ、若者が歩いている!』といった声をあげて、指さしたりする高齢者たちであふれかえるでしょう」
21世紀をむかえ、本が、決して冗談ではなかったといわざるを得ない。気がつけば街から若者が極端に減った。様々なビルや施設は、高齢者で溢れかえっている。多くの文化や、生活用品、食品、健康グッズなどが、高齢者にマーケットをシフトしている。このまま加速するのだろうか? 本の著者は「いいかげんな、当てずっぽう」で語ったのではなく、公的に発行されている白書や人口比率や先進諸国の実情を踏まえ、語り口こそ、くだけてはいたが、ひどく真面目に、正確に分析をしていた。官僚出身であったのかもしれない。
著者は、日本が、今後、対処していくであろう姿勢も予言していた。様々な施策も必要であるし、当然、いろいろな手立てもうまれてくるであろうと、幾つかの法案や税制を予想していた。確かに、そのとおりになった。だが、著者は、気がかりなことも書いていた。「結局は、日本国民は、十全には、超・高齢化の日本社会を支えきれない」といいきっていた。「介護をになう人員の絶対的欠如」「施設の不足」「支える制度の不完全さ」「法整備の不徹底」などなど。著者の予言は当たっていた、あるいは、その通りになりつつある、というべきかもしれない。では「きがかりな」将来の「破綻する日本のろう人介護」にたいして、著者はいったい、わたしたちが、どのようにすべきか、どのように国民が対処すべきか、と語ったか。
「最終的には、破綻したまんまで、突っ走ります」と答えていた。
「それでも構わないんです。結局は、ベビーブーマーはそのまま死んで、人口比率が変化しますから。自然に問題が解消される」
なんと、残酷な。なんと、無責任な。
2000年に介護保険が始まって以来、それまでの行政の側からの一方的な「施策」から180度方向を変え、「サービスを利用者が選ぶ」時代へと様変わりした。多くのサービスや福祉用具が生まれ、高齢者を取り巻く環境も急速に様変わりしている。だが一方では、相変わらず劣悪な環境で就労せざるをえないヘルパーや、孤立した状態の家庭は多い。社会の邪魔者として見下されていた者が、一転『ご利用者様』と呼ばれるようになった高齢者や家族が、一体どのような状況にあるのか。また使い捨てされていく就労者にとっての「介護保険」とは何であるのか。莫大な予算にむらがる「介護ビジネス」。しっかりと見つめていく必要がある。福祉サービス/ホームヘルパー/ろう人施設/高齢化問題/バリアフリー住宅・福祉機器
『高齢者虐待防止法』
■日本福祉新聞「高齢者虐待防止法」研究部会
『高齢者虐待防止法』は、高齢者の人権擁護や、心身の救助、保護と自立への道を後押しする、重要な法律のひとつです。
高齢者が、家庭や社会の様々な場面で虐待を受けないため、できた法律です。
虐待は、高齢者の尊厳をおとしめ、生命をおびやかし、自立や社会参加をさまたげています。
日本では、あまりにも高齢者虐待の歴史が長く、固定化された偏見に、高齢者は、さらされてきました。
高齢者の人権は、おとしめられてきました。
高齢者への虐待は絶対にあってはなりません。
虐待を受けている高齢者も、虐待をしているひとも、周囲の人々も「それが虐待である」と気づかず、あるいは虐待が日常茶飯事なので見逃しています。
虐待が継続され、悪化し、被害者のまま生き続けている高齢者も多いのです。
本来なら虐待を早期に発見し、虐待を食い止めるべき立場にいる「高齢者福祉施設」「学校」「医療機関」「保健所」「高齢者の福祉に業務上関係のある団体」「高齢者福祉施設従事者」「訪問介護士」「訪問看護師」「医師」「歯科医師」「保健師」「弁護士」「高齢者の福祉に職務上関係のある者」「使用者」も同様に、『高齢者虐待防止法』の存在を知らず、虐待を見逃しています。
国民全員が、高齢者の虐待防止に努めなければならないはずなのに……。
国や地方公共団体は、高齢者虐待の防止のために、「啓発活動」や「高齢者虐待を受けた、高齢者の保護」「高齢者の自立の支援のための施策」を講ずることになっています。
あなたは『高齢者虐待防止法』を知っていましたか?
ポスターを見たことがありますか?
パンフレットを見かけたことはありますか?
こう書かれています。
「特定のひとや家庭、場所ではなく、高齢者のいるどこの家庭や施設でも起こりうる問題です」
「虐待をしているひとに、虐待をしている認識がない場合もあります」
「虐待をされているひとが、虐待だと認識できないで、自分から被害を訴えられない場合もあります」
以下のような行為は、高齢者への虐待です。
不適切な支援から、傷害罪などに当たる犯罪行為まで様々ですが、いずれも高齢者の人権の重大な侵害であり、絶対に許されるものではありません。
高齢者への虐待には以下の種類があります。
「身体的虐待」では、あざ、傷跡、捻挫、骨折、火傷、褥瘡(じょくそう:床ずれ)、疾病、手首足首に縛られたロープのあと、栄養失調、不可解な嘔吐、不可解な睡眠、などを含む身体上の目に見える兆候があります。
「心理的虐待・感情的虐待」では、介護を嫌がったり、怖がったり、身体を隠そうとします。触れようとするとおびえる、など。
「経済的虐待」では、他のタイプに比べて、虐待の表れ方が微妙で、気づくのがより困難な場合があります。他の家族に比べて、いちじるしくみすぼらしい生活をしている、金融搾取の兆候、預貯金からの大きな引き出し、未払いの請求書、不要な商品、不要なサービス、貴重品や高価なものが消える、など。
「性的虐待」では、身体の特に胸や陰部の周りに、目に見える兆候が検出できます。不可解な感染症、出血、引き裂かれた下着、などです。
「ネグレクト・放置・放棄」では、栄養失調、脱水、不衛生、処方された薬が効いていない、危険な生活条件、排便の悪臭、極端な筋肉の衰弱、など。
「セルフネグレクト」では、独居高齢者が多く、部屋が掃除されていない、不健康な食事、不衛生、乱暴、自虐、自壊、自暴自棄、自身の健康や安全性を気にしない、処方された薬を飲まない、治療されていない怪我、長引く病気、身体からの悪臭、飲酒癖、など。
『高齢者虐待防止法』は、高齢者にとって、虐待の本質を明らかにすることのできる法律です。
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