日  本  福  祉  新  聞

第一面 i n d e x > 日本福祉新聞アーカイブズ > 『国民優生法施行令』
日本福祉新聞の運営は、皆様からのご寄付によって成り立っています。ご理解・ご協力賜りますようよろしくお願い申し上げます。

日本福祉新聞アーカイブズ


○日本福祉新聞社では『日本福祉新聞アーカイブズ』として、過去に掲載された記事や資料など、さまざまな情報を編集、公開しています。
○日本福祉新聞へ寄稿された記事の著作権は執筆者に帰属し、編集権・版権は日本福祉新聞社が所有・管理しています。
○団体や個人が編纂された資料の著作権・編集権・版権は、それぞれの団体や個人が所有・管理し、了解を得てここに収録されています。
○法律等は、公開されたものを掲載しています。
○本書の一部または全部を無断でコピー複写複製、また出力等によりプリント印刷すること、またデータの販売や配付や転用を禁じます。

『国民優生法施行令』


(昭和十六年勅令第六八一号)

第一条
国民優生法第二条ノ優生手術ハ生殖腺ヲ除去スルコトナクシテ精子ノ精管ヲ通過シ又ハ卵子ノ卵管ヲ通過スルコトヲ終身不能ナラシムルコトヲ目的トスル手術トシ其ノ術式ハ厚生大臣之ヲ定ム

第二条
中央優生審査会ハ厚生大臣、地方優生審査会ハ地方長官ノ監督ニ属シ国民優生法ノ定ムル所ニ依リ其ノ権限ニ属セシメタル事項ヲ調査審議ス

第三条
中央優生審査会ハ厚生省ニ之ヲ置ク
2 地方優生審査会ハ道府県毎ニ之ヲ置キ道府県ノ名ヲ冠ス

第四条
中央優生審査会及地方優生審査会ハ会長及委員ヲ以テ之ヲ組織ス

第五条
中央優生審査会ノ委員ハ二十人以内トシ地方優生審査会ノ委員ハ十人以内トス
2 特別ノ事項ヲ調査審議スル為必要アルトキハ臨時委員ヲ置クコトヲ得

第六条
会長、委員及臨時委員ハ関係各庁高等官及学識経験アル者ノ中ヨリ中央優生審査会ニ在リテハ厚生大臣ノ奏請ニ依リ内閣ニ於テ之ヲ命ジ地方優生審査会ニ在リテハ厚生大臣之ヲ命ズ

第七条
会長ハ会務ヲ総理ス
2 会長事故アルトキハ中央優生審査会ニ在リテハ厚生大臣ノ指名スル委員、地方優生審査会ニ在リテハ地方長官ノ指名スル委員其ノ職務ヲ代理ス

第八条
中央優生審査会及地方優生審査会ニ幹事ヲ置ク
2 中央優生審査会ノ幹事ハ厚生大臣ノ奏請ニ依リ内閣ニ於テ之ヲ命ジ地方優生審査会ノ幹事ハ厚生大臣之ヲ命ズ
3 幹事ハ会長ノ指揮ヲ承ケ会務ヲ整理ス

第九条
中央優生審査会及地方優生審査会ニ書記ヲ置ク
2 中央優生審査会ノ書記ハ厚生大臣、地方優生審査会ノ書記ハ地方長官之ヲ命ズ
3 書記ハ会長及幹事ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス

第十条
中央優生審査会又ハ地方優生審査会ハ国民優生法第八条第二項又ハ第十条第二項ノ規定ニ依リ厚生大臣又ハ地方長官ヨリ其ノ意見ヲ徴セラレタルトキハ文書ヲ以テ答申スベシ

第十一条
優生手術ヲ受クルコトヲ得ル者国民優生法第十一条第二項ノ規定ニ依リ中央優生審査会又ハ地方優生審査会ニ出頭シタルトキハ之ニ対シ命令ノ定ムル所ニ依リ旅費ヲ給スルコトヲ得

第十二条
国民優生法第八条ノ決定並ニ同法第十条ノ却下、取消及決定ハ文書ヲ以テ之ヲ為スベシ

第十三条
優生手術ニ関スル費用ハ国庫ノ負担トス
2 厚生大臣優生手術ヲ行フベキモノト認ムル旨ノ決定ヲ為シタル場合ニ於テハ厚生大臣、地方長官優生手術ヲ行フベキモノト認ムル旨ノ決定ヲ為シタル場合ニ於テハ地方長官優生手術ヲ受クル者又ハ其ノ父母若ハ配偶者ニシテ其ノ申請ヲ為スコトヲ得ルモノ若ハ其ノ申請ニ付同意ヲ得ルコトヲ要ストセラレタルモノガ優生手術ニ関スル費用ノ全部又ハ一部ヲ負担スル資カヲ有スト認ムルトキハ前項ノ規定ニ拘ラズ其ノ者ヲシテ其ノ費用ノ全部又ハ一部ヲ負担セシムルコトヲ得但シ国民優生法第六条ノ場合ハ此ノ限ニ在ラズ

第十四条
前条ノ優生手術ニ関スル費用ハ左ノ各号ニ掲グル費用トス
 一 優生手術ヲ受クル者ノ旅費及附添人ヲ必要トスル場合ハ其ノ附添人ノ旅費
 二 生殖能力有無ノ検査ニ要スル費用
 三 手術料
 四 入院料
2 前項ノ費用ニ関シ必要ナル事項ハ厚生大臣之ヲ定ム

  附 則

本令ハ昭和十六年七月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ第十三条第二項但書ノ規定ハ国民優生法第六条施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
勅令は、昭和16年6月7日公布、同7月1日施行。
『優生保護法』(昭和23年法律第156号)の制定により、本令は昭和23年9月11日をもって失効。


【関連法令】
→ 『国民優生法』
→ 『国民優生法施行規則』
→ 『優生保護法』
→ 『母体保護法』
→ 『堕胎の罪』



T h e J a p a n W e l f a r e T i m e s


日本福祉新聞社/TheJapanWelfareTimes (c)All Rights Reserved.